やりたくない仕事=感情労働!?すぐ始められるメンタルヘルスケア

先日、やりたくない仕事ランキングというのをネットで目にしました。
そのサイトではやりたくない仕事のトップは飲食店店長、そして二位以下がアパレル店員、ホテルスタッフ、看護師、介護福祉士、保育士、学校教師と続きます。

これらに共通するものがあるのですが、何でしょう?

それはメインの仕事が「直接お客様を相手にする」ということです。

みなさんこのお仕事に疲れている方々を思い浮かべたときに笑顔が思い浮かびませんか?
お客様にサービスを提供して喜んでもらう、そんな人の役に立つとても素敵な仕事です。
にもかかわらず「やりたくない仕事」と思われるのはなぜでしょう。

それは、こういった仕事が「感情労働」だからです。
今日は感情労働と従業員を守るためにできることをお話します。

感情労働とは

肉体労働、頭脳労働という言葉のイメージはなんとなく思いつくのではないでしょうか。
身体を動かして報酬得る仕事やアイデアや企画提案などで報酬を得る仕事、そんなイメージですよね。

では感情労働とは何でしょうか。
感情労働とは社会学者A・R・ホックシールドによる言葉で感情を抑えたりコントロールすることで報酬を得る仕事です。

例えば、コールセンターやカウンセラー、看護師などがよく挙げられますが、それだけではなく接客業やサービス業、広い意味では人を相手にする職業全般が当てはまります。
さらには職種に限らず、社内での調整を求められる役職なども感情労働に含まれるでしょう。

感情労働は自分の内面の感情がどうであれ、相手に気持ちよく過ごしてもらうことを要求されるものです。
そう考えると多かれ少なかれ多くの人が感情労働をしているのではないでしょうか。

感情労働とメンタルヘルス不全

もともと感情は出来事や考えによって自動的に湧いてくるものであり、ある種の反応です。
しかし感情労働ではその湧き上がってくるものをコントロールし、相手に合わせることが必要になります。

食事をとる・睡眠をとるなどの休息で回復できる肉体労働や頭脳労働と異なり、感情労働は疲労が回復しにくく、メンタルヘルス不全に陥りやすくなります。
それではどうすれば、ケアができるのか3つの視点でお伝えします。

感情労働のケア①

とくに上司の部下に対する「~べき」や「~ねば」といった考え方も感情を疲弊させてしまいます。
本来の自分とのギャップがあればあるほど、そこには摩擦が生じ、それが疲労を増幅してしまうのです。

「~べき」「~ねば」ではなく「~したほうがいい」
「~べきでない」「~してはいけない」ではなく「~しないほうがいい」と考え方を少し緩めるだけでも疲労の程度は変わってきます。

感情労働のケア②

仕事とプライベートをしっかり切りわけることが大切なのですが、仕事のモヤモヤを家に持ち帰ってしまうことも少なくはありません。
モヤモヤを持ち帰らないために周りができることは、注意はその日のうちに行い、後々までずるずると引きずらないことが大切です。

そして原因を人に向けるのではなく、出来事やモノに向けることも感情を守るための秘訣です。
どうしても「どうしてミスが起きたのか」といった相手を責める言い方ではなく、「何が起きたのか」「何があればできたのか」など表現を変えるだけでも受けるストレスがずいぶんと変わります。

感情労働のケア③

また、何かあったときに相談したり愚痴を言える同僚がいることはとても大切です。
共感し合える、分かり合える相手がいるのといないのとでは気の持ちようが変わります。

ただ、分かり合うだけではいずれ限界が来ます。
それを少しでも改善できる立場の人に相談できることが重要です。
それには、評価する・されるの関係にある直属の上司に相談するよりも、利害関係がない斜めの関係にあるマネジメント層の存在が近くにいることも大切です。

まとめ

感情労働の回復はとても複雑でメンタルヘルス不全に陥りやすいため、日頃から社内のコミュニケーションで感情疲労をためないようにすることが大切です。
もし一緒に働いている方々が感情労働で疲弊しているなと思われたら、ぜひ、職場のコミュニケーション改善に取り組んでくださいね!

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